郷土の花・樹木

2. 上郷屋のオハツキイチョウ

黄葉したオハツキイチョウ 
オハツキイチョウの実

 五泉市上郷屋集落の諏訪神社境内にあるオハツキイチョウは、平成19年3月23日に県の指定天然記念物となりました。オハツキイチョウの名は葉に実をつけることに由来します。葉に胞子をつけるシダ類と似ることから、花が葉が変化したものであることを示唆し、植物の進化を探る上で貴重ともいわれています。いっぷう変わった形質をもつこのオハツキイチョウの存在に神秘を感じます。

 この木は国内の天然記念物に指定されているオハツキイチョウの中でも最大級の幹回りを持ち、圧倒的な存在感があります。住民のオハツキイチョウに対する思いは強く、県との協議が数年にわたり続けられた結果、県指定の天然記念物となりました。

 イチョウの傍にあった集会所はオハツキイチョウの生育を考え、建て替える際に、別の場所に移動したそうです。このイチョウに対する近隣住民の深い思いを感じます。

(植物園だより30号(平成19年)掲載)