郷土の花・樹木

3. 弥彦の婆々杉

 弥彦の婆々スギは、新潟県西蒲原郡弥彦村の競輪場の北側に位置する真言宗宝光院境内の奥にあります。樹高は40mで目通り幹周は7.1m、推定樹齢1,000年の大きくてたいへん美しいスギです。1952年12月12日に新潟県指定天然記念物に指定されました。

 婆々杉の「婆々」は東北地方や新潟県内弥彦村、小千谷市、大和町、佐和田町などに伝わっている弥三郎婆の伝説に由来します。弥三郎婆の伝説は、各地により内容が異なりますが、弥彦には、悪行を重ねた弥三郎婆が神に諭され改心した後、妙多羅天女(みょうたらてんにょ)として祀られたという話が伝えられています。この杉が婆々杉と呼ばれるのは、弥三郎婆がこのスギの根元に住んだからという説や、この木に死体をかけたためという説などがあります。

(植物園だより31号(平成20年)掲載)