郷土の花・樹木

10. 高森の大ケヤキ

 

 

 

 

樹冠からは木漏れ日がさしこむ
高森の大ケヤキ
 

 

 新潟市北区高森の稲荷神社が鎮座する薬師山という小高い丘に、大ケヤキがそびえたっています。遠くから見ると水田に囲まれた小さな森のような風景です。

 昭和31年3月23日に新潟県の天然記念物に指定されました。推定樹齢1,200年、目通り幹径10m、根周りは12mもある堂々たる姿。20mものたかさがあり、周囲には大きな緑陰をつくる青々とした葉が茂っています。樹盛の衰えが見られたため、平成7年から3年をかけて治療が施されました。現在は何本もの支柱で支えられてはいるものの、衰弱した状態にあったとはみじんも感じられない力強さがあります。様々な環境の変化を受けながらも1,200年前の平安の昔からこれまで生き抜いてきた生命力の賜物でしょうか。

 多くの老木が各地に存在していますが、それらの樹木は時代の移り変わりをどのように見てきたのか、そんな思いが頭をよぎりました。

(植物園だより38号(平成21年)掲載)