郷土の花・樹木

9. 蛭野地区のイチョウ

 

この地区を訪れると、家々の敷地内にイチョウが点々と植えられていることが分かります。このイチョウは、すべて実(ぎんなん)をつける雌の木。旧村松町蛭野(ひるの)はぎんなんの産地です。地区内に樹齢100年を上回るイチョウが200本以上あり、秋になれば、その先にそびえる白山(1012m)のすそを黄金色にいろどります。

街路のイチョウの葉が散り始めたころ出かけていくと、「ちょうど見頃」というところでしょうか。黄葉はまちなかよりやや遅いようで、11月中旬、毎日掃いても落ちてくる庭先の掃除は大変ですが、落葉して地面に敷きつめられた葉は、黄色のじゅうたんのようです。その色や、足元に落ちた実の独特なにおいも、地域の人々に季節を告げるものなのかもしれません。

●イチョウ (イチョウ科落葉高木)

中国原産で古い時代に渡来。街路樹などに用いられるほか、寺社の境内などによく見られる。雄木と雌木があり、雌木になる実は食用(ぎんなん)。花は春に咲き、小さく目立たない。秋に美しく黄葉する。

(平成15年度調査、情報誌21号にて掲載)

場所 五泉市(旧村松街)蛭野
種類 イチョウ科