郷土の花・樹木

15.本龍寺の白椿

 

三条市(旧栄町)の帯織にある本龍寺には、樹高9mを超えるツバキの木があります。お寺の建物の裏に育つこの木は、春先に小ぶりな白い花を咲かせます。

花の様子からヤブツバキの系統で、江戸中期に何らかのかたちでこのお寺に伝わった園芸品種と考えられます。その後このお寺の歴史にはツバキが寄り添ってきました。現在の住職(第18代)のおじいさんのおじいさんの弟にあたる方は、小窓から見えるこのツバキをこよなく愛したそうです。また、5代目の住職は「タケとツバキを近づけてはいけない」と言い残したそうです。現在、このツバキの隣にタケの林があります。かつてにくらべると、タケを農具などの材として切ってつかうことが少なくなり、根をはって接近してくるそうです。

お寺では、タケを近づけないように配慮したり、屋根に枝のかかる部分は屋根材を切りとったりして、この木を大切に守っています。

●ツバキ (ツバキ科ツバキ属 常緑低木~高木)

江戸時代からさかんに品種がつくられた。ユキツバキはヤブツバキの変種。日本海側多雪地帯に分布する。

(平成18年度調査、情報誌33号にて掲載)

場所 三条市(旧栄町)帯織
種類 ツバキ科
高さ 9.75m
周囲 1.28m