郷土の花・樹木

11.小牧社のケヤキ

 

信濃川沿いの田園地帯にある小牧神社は、数本の大きなケヤキに囲まれています。緑のかたまりのような様子は、段丘崖の上を走る国道からも確認できます。なかでも大きな1本は社に寄り添うように立ち、枝折れの治療の形跡はあるものの樹勢はよく、夏には左の写真のように見事に葉を茂らせます。大量の葉を落とす秋には、地元の老人会の方々が落ち葉の掃除をするそうです。

十日町市は多雪地域。厳しい環境のなか、風雪に枝を折られながらも地域を見守ってきたのでしょう。この神社の近くにお住まいの方に、この木の下に家があった頃の話をうかがうと、かつて冬には、枝に積もる雪やその雪の重みで折れる枝が屋根に音をたてて落ちてきたそうです。今年も大雪ですが、積もる雪に枝をしならせているのでしょうか。しかし、迫力ある枝のひろがりは、冬にこそはっきりと見ることができます。じっと春を待つ姿が印象的です。

●ケヤキ (ニレ科落葉高木)

日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布。街路樹に多く用いられる。夏に緑陰をつくる葉は、秋には黄から赤色に色づき美しい。材としても 優れており、建築や工芸などに用いられる。寿命が長く寺社などの境内に神木として植えられたものは、多くは大木となる。

(平成16年度調査、情報誌30号にて掲載)

場所 十日町市馬場太田島
種類 ニレ科
樹高 34m
幹周 6.75m