郷土の花・樹木

7. 片桐のボダイジュ

 

新潟県の真ん中、見附市。県内でも有数の田園地帯です。

片桐町は、まさに田園風景が広がる地域であり、片桐のぼだいじゅを見つけるのはそう難しくありません。

この木がある辺りは、500年以上前から寺屋敷跡であり、その頃から生育しているそうです。そして、菩提樹という地名で、広大な畑地だったこの地がやがて開田化されてからも、廃寺跡として残され、現在も大切にされています。およそ5アールの敷地内を、地域の老人会の方々が年に2回、除草作業をするそうです。

横に広く枝を張った姿は、時代や風景の移り変わりをじっと見守ってきた風格が感じられます。私たちには想像もつかないような風景、長い間の記憶が、この木のなかにあるに違いありません。

●ボダイジュ・・・中国原産。日本に自生するのは、シナノキ、オオバボダイジュである。高さは15mほどになる。

           仏教にかかわりの深いインドボダイジュ(クワ科)に葉が似ていることから寺院などによく植えられる。

(平成16年度調査、情報誌26号にて掲載)

場所 見附市片桐町
種類 シナノキ科
高さ 8m
周囲 各幹1m
推定樹齢 550年~