郷土の花・樹木

12. 八王寺の白藤

雲のように広がる白藤

 

長い花房
入り組んだ根元

 

 燕市八王寺にある安了寺のフジは、1958年に新潟県の天然記念物に指定された名木です。東西50mに張るといわれる枝は境内いっぱいに広がり、見ごろとなる5月中旬には、長い花房が無数に垂れ下がり、甘い香りが漂います。

 江戸時代貞享年間(1684~1687年)、お寺の転派とともに植えられ、樹齢は300年を超えるとされています。歳を重ねた根元をみると、その歴史と、この先も移り行く時代を見守っていく意思を感じずにはいられません。

 現在は、有志の保存会のみなさんが剪定や施肥などの手入れを施しているそうです。そのかいがあり樹勢はますますさかんで、これからも長く我々の眼を楽しませてくれることと思います。

(植物園だより40号(平成22年)掲載)