郷土の花・樹木

6. 塩谷のエノキ

荒川の流れが日本海にそそぐあたりに、塩谷という地域があります。田んぼのなかに一本、大きな木が立っています。

この木が、文化年間(1810年ころ)のものと思われる『塩谷港絵図』に、弥左衛門榎と明記されるエゾエノキです。樹齢は、100年から199年とされます(※1)が、江戸時代に名のとおった木であったことから、樹齢はそれ以上と推察されます。

この木がどのような目的で植えられたかはわかっていません。エノキは、潮に強いことから、塩谷では所々で屋敷境に植えられているそうです。また古くは一里塚(※2)に植えられたことなどから、ロマンあふれる想像がふくらみます。

  ※1 環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」

  ※2 一里ごとに築かれた塚。旅人の道しるべとなった。

  《資料提供:神林村》

●エゾエノキ (ニレ科落葉高木)

北海道から九州、朝鮮半島、中国北部に分布する。山地に生え、高さは15mから20mになる。エノキとともに日本の国蝶オオムラサキの食樹。

(平成16年度調査、情報誌26号にて掲載)


場所 村上市(旧神林村)塩谷
種類 ニレ科
高さ 12m
周囲 5.17m
推定樹齢 550年 以上